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クリスチャン・ムエックスのカリフォルニアスタイル 青木冨美子

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クリスチャン・ムエックスのカリフォルニアスタイル 青木冨美子

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ポムロール地区の「シャトー・オザンナ2006」を手にクリスチャン・ムエックス氏=2015年3月6日、東京都中央区銀座のエノテカ・ミレ銀座店(青木冨美子さん撮影)  【ワインのこころ】

 黒ブドウのメルロは発音しやすく、飲んで親しみやすい人気の品種です。仏ボルドー地方が主要産地で、ドルドーニュ河の右岸地域ポムロールには『シャトー・ペトリュス』はじめ、『ラ・フルール・ペトリュス』、『シャトー・オザンナ』等、ムエックス家が所有するシャトーが多くあります。先日、エノテカの招待で来日したクリスチャン・ムエックス氏=写真=は、メルロ使いの達人で、異名はミスター・メルロです。

 このスペシャリストが、30年以上も前に注目し、ワイナリーを興した地がカリフォルニア。基本品種はカベルネで、これはジロンド河の左岸で多く栽培されています。

 1983年が初ビンテージの長兄『ドミナス』、次男坊『ナパヌック』を造っていますが、彼の目指すワイン造りの哲学は“洗練”されたカリフォルニアワイン。過熟を嫌うムエックス氏はプルーンとプラムを例に「プルーンはドライフルーツ、熟しすぎたイメージがありますが、私が求めているのは生き生きした果実味なので、プラムです」と述べていました。この違いこそ、ムエックス氏がカリフォルニアワインで表現したいと思っているフランス直伝の“洗練されたスタイル”です。

 2006年が初ビンテージの一番若い三男坊『オテロ2009』は元気ではつらつとしたワインです。カべルネ・ソーヴィニヨン90%、カベルネ・フラン5%、プティ・ヴェルド5%のブレンドで、今はまだ炉端の焼鳥のこってり感が似合いますが、成長するにつれて仏風の洗練さを身に付けていくはずです。日の丸をイメージしたラベルにもご注目ください!(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS

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