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押し寄せる中国観光客 ホテル取れない 「爆買い」の次は「爆宿」「爆花見」

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押し寄せる中国観光客 ホテル取れない 「爆買い」の次は「爆宿」「爆花見」

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中国人観光客らで賑わう秋葉原=2015年4月2日午後、東京都千代田区(蔵賢斗撮影)  各地で桜が見頃を迎える中、海外、とりわけ中国からの花見客が急増し、首都圏を中心に深刻なホテル不足が生じている。中国人旅行者は2月の「春節(旧正月)」にも大挙して日本を訪れ、高額・大量消費する「爆買い」が話題となった。お花見シーズンの期間は、前年同期比2倍以上の訪日客が入国する見通しだ。各地のホテルを埋め尽くすさまは、さながら“爆宿”“爆花見”の様相だ。

 連日ほぼ満室

 「今年は花見客の半分以上が中国などの外国人だ」

 上野観光連盟(東京都台東区)の担当者はこう打ち明ける。上野公園には毎年200万人以上の花見客が訪れるが、今年は人混みで飛び交う中国語が目立つ。昨年は4割程度だった外国人比率が、今年は5割以上になったとみられる。

 中国人を中心とする観光客の大量流入で、首都圏では4月上旬のホテル不足が深刻だ。上野地区では「ビジネスホテルを中心に周辺の宿泊施設の稼働率は軒並み90%以上。飛び込みの予約はまず取れない」(上野観光連盟)という。

 藤田観光が展開するビジネスホテル「ワシントンホテル」も、首都圏の稼働状況が「花見需要も重なり、最近はほぼ満室状態」だという。共立メンテナンスが運営する「ドーミーイン」も首都圏の5ホテルの外国人客数が昨年同期比4%増え、連日ほぼ満室だ。

 ビジネスマン困った

 こうした動きは高級ホテルにも波及しており、プリンスホテルも「7日頃までかなりの高稼働率が続く」としている。

 観光庁によると、東京や神奈川、大阪、京都では、2014年のホテルの客室稼働率が80~90%と高い水準で、客室は不足傾向にある。特に4月は就職・進学による宿泊需要も高いシーズンだが、さらに中国人観光客らの「爆宿」が重なり、需給が逼迫(ひっぱく)した形だ。

 ホテル業界では強気の価格設定も目立つ。大手ビジネスホテルは、都心の施設に「1泊3万円」の価格を設定した。閑散期の3倍以上の価格だが、それでも訪日客からの予約が入るという。その結果、利用者の中心だったビジネスマンが割を食う構図となった。

 「清明節」の連休

 1月に中国人のビザ(査証)発給要件が緩和され、上海日本総領事館の3月のビザ発給件数は、前年同月の約2倍の14万6000件と、単月で過去最高になった。中国は4月4~6日が「清明節」の連休にあたっており、大部分は花見と買い物目的での渡航とみられる。

 「中国人の日本に対するイメージは『桜、ラーメン、温泉』が占めている」(旅行業界関係者)という。実際に中国人観光客は花見にとどまらず、路地裏にある人気ラーメン店にも出没し、箱根などの温泉地にも押しかけている。円安傾向が続くなか、中国人観光客の訪日ラッシュは当面続きそうだ。(SANKEI EXPRESS

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