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社会
泥酔の17歳友人に暴行・放置死 横浜 容疑の男子高校生3人逮捕
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少年3人が専門学校の男子生徒を暴行した上、放置したとされる現場付近の鶴見川河川敷=2015年4月11日午後、神奈川県横浜市鶴見区(鴨川一也撮影) 昨年12月、横浜市鶴見区の河川敷で当時17歳の専門学校の男子生徒に暴行した上、放置して死なせたとして、神奈川県警少年捜査課などは11日、暴行と保護責任者遺棄致死の疑いで、鶴見区に住む高校3年の少年3人=いずれも(17)=を逮捕した。
逮捕容疑は、3人で共謀し、昨年12月23日午前0時ごろから23日午前6時40分ごろまでの間、鶴見区内の鶴見川河川敷で、飲酒して寝込んだ友人で専門学校の男子生徒(17)=鶴見区=の顔や体に殴る蹴るの暴行を加え、鶴見川に落としては引き上げるなどした上で河川敷に放置。何らかの理由で川に転落した男子生徒を水死させたとしている。3人とも「間違いありません」と容疑を認めている。
少年捜査課によると、4人は中学校の同級生で、当時は一緒に橋の下で、負けると酒を飲むゲームをしていたという。その後、酒に酔って寝込んだ男子生徒を起こそうとして当初は頭をたたいたりしていたが、次第に暴行へエスカレート。男子生徒の顔を川の水面につけたり、体全体を川に突き落としては引き上げるといった暴行を繰り返すようになったという。
暴行後、少年3人は、男子生徒を川から約2.7メートル離れたコンクリートの護岸上に放置して立ち去っており、県警は男子生徒が低体温症などで意識がもうろうとしたまま、何らかの理由で川に落ちて水死したとみて調べている。
逮捕前の任意の調べに、3人は「立ち去る際に救急車を呼ぶかどうか相談したが、『酒を飲んでいるのがばれるから、やめよう』との話が出たので放置した」という趣旨の話をしたという。
インターネットの自己紹介サイトでは、死亡した専門学校の男子生徒とみられるユーザーが、容疑者の少年らの名前を挙げて、「皆まぢで信用してるから」(原文ママ)などと記していた。
男子生徒と高校3年の少年3人は、横浜市内の市立中学校で出会った。男子生徒とみられるユーザーは、ユーザー名に中学校名を入れ、尊敬する人の欄に「中学校の先輩」と書き込むなど、友人との交友関係を大事にしていたとみられる。
しかし、横浜市鶴見区の男子生徒宅の近くに住む男性会社員(54)によると、「男子生徒はグループで使い走りのような扱いを受けているようだった」という。この男性会社員は、約1年前から男子生徒と容疑者とみられる少年らが、男子生徒宅前で集まっているところを頻繁に目撃していたという。
男子生徒とみられるユーザーは自己紹介サイトで「よく遊ぶ場所は土手」などと投稿。少年が暴行の末に死亡したのは、自宅から南西へ約1キロの鶴見川の河川敷だった。
大好きな場所で、信頼していた友人に殴る蹴るの暴行を受け、死亡した男子生徒の無念は計り知れない。
男子生徒の遺体は今年1月7日、鶴見川に浮いているのが見つかった。
≪また人命軽視 「他人を考えられない子供増加」≫
川崎市の中1男子殺害事件に続き、またも未成年者による人命を軽視した事件が起きてしまった。神奈川県警の調べによると、逮捕された17歳の男子高校生3人は酔いつぶれた友人を真冬の寒空の下に放置しており、その行為は悪質といえる。
繰り返される痛ましい事件に、教育の専門家は「他人のことを考えられない子供が増えている」と警鐘を鳴らす。
未成年者間で引き起こされ、死者が出た事件はこれまでも多く発生してきた。
近年では2013年6月に広島県呉市で、未成年の男女ら6人が高等専修学校の女子生徒=当時(16)=を暴行、殺害。今年2月には川崎市で中学1年の男子生徒=当時(13)=が、18歳の少年ら3人に首を切り付けられるなどして殺害された。
それぞれ動機は「(無料通信アプリの)LINEで悪口を言われた」「先輩として立ててくれなかった」と、ささいな内容だった。
警察庁によると、昨年に刑法犯で摘発された未成年者は約4万8361人と11年連続で減少した。
一方、殺人(未遂を含む)での摘発は約50人で横ばいの推移となっており、子供たちに「命の大切さ」が浸透しているとは言い難い状況だ。
教員経験が長い東京学芸大教職大学院の今井文男特命教授は「個人主義で『大事なのは自分』ともてはやされ、他人やグループを大切にできない子供が多くなっている。人間関係の大事さを認識させる必要がある」と話している。(SANKEI EXPRESS)