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【ネパール大地震】死者3800人超 迫る雪崩「大地の怒り見た」 エベレスト登山者、200人以上足止め
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4月27日、エベレストのキャンプ1と2で足止めされた登山者らをベースキャンプまで搬送する救助ヘリコプター(中央)。これまで大きな雪崩被害を受けたことがなく、安全と信じられていたベースキャンプにも氷壁が降るように雪崩が押し寄せ(左奥)、過去最悪の被害がでた=2015年、ネパール(AP) ネパールで起きた大地震は発生3日目の27日、死者がネパールと近隣国を含め計3800人超となり、4000人に迫った。災害当局者によると、死者は8000人に上る可能性があるという。一方、ネパールと中国の国境にある世界最高峰エベレストでは、大地震による雪崩で日本人の男性を含む少なくとも登山者19人が死亡、70人以上が負傷した。下山ルートも破壊されたため、標高6050メートルの「キャンプ1(C1)」と6500メートルの「キャンプ2(C2)」には登山者200人以上が足止めされ、27日、ヘリコプターによる救助活動が行われた。登山者の一人は「大きな音が聞こえた次の瞬間、氷壁が降ってきた。大地の怒りを見た思いだ」と恐怖の一瞬を語った。
地元紙ヒマラヤン・タイムズやAFP通信などによると、救助ヘリ3機が27日、キャンプ1とキャンプ2に到着。標高5300メートルの地点にあるベースキャンプ(BC)との間で、足止めされた登山者のシャトル搬送を行った。登山者が持参した食料や酸素なども不足し始めているため、救助活動の迅速化が急務だが、現地の空気が薄いため、1機につき登山者2人しか搬送できない状況だという。
キャンプ1には約80人、キャンプ2には登山ガイド32人を含む登山者120人以上が足止めされていたとみられる。ベースキャンプには雪崩発生時、外国人400人を含む約1000人がいたとされ、ネパール政府は救助ヘリで負傷者70人以上をカトマンズに搬送した。雪崩では日本人の50代男性1人が死亡、札幌市の小幡友子さん(50)が負傷した。
ベースキャンプにいたドイツ人のヨスト・コブシュ氏の動画では、山頂に向けたカメラが、もうもうと白煙をあげて迫り来る雪崩を捉えていた。次の瞬間、周辺の登山者が一斉にテントに逃げ込む様子が映し出された。雪崩から逃れたルーマニア人のアレックス・ギャバン氏は、ツイッターで「(ベースキャンプでは)多くの人が死んだ。さらに多くが重いけがを負った。ヘリによる救助は時間との闘いだ」とつぶやいた。
米国人のエレン・ギャラントさんは、「ベースキャンプは雪崩とは無縁で安全と思っていたのに、空から降るように氷の塊に襲われた。私の目の前で男性が直撃を受けたが、私たちには何もできず、彼は亡くなった」と語った。
エベレストでは昨年4月18日にも、ベースキャンプとキャンプ1の間のアイスフォール(氷瀑、5900メートル付近)で雪崩が起き、16人が死亡。シーズン途中で登山は禁止となった。今年は、昨年登山を予定していながら果たせなかった人たちも含めて、多くがエベレスト登頂に挑もうとしていたが、今年も今回の大地震で登山禁止となる可能性が高い。ベースキャンプにいたネパール人の調理人は「2年続けて惨事が起きるなんて偶然とは思えない。ベースキャンプも危険となれば、もう山には近づけない」と話した。
大地震が起きた時、ヒマラヤ山脈を登山している最中だったアルピニストの野口健さん(41)は、当時の様子を「周辺の山々から爆撃を受けたかのようなガラガラ、ドドド、グゥワォン、ドッカンなどといった爆発音が聞こえ、まるで戦場のようだった」とブログに記している。(SANKEI EXPRESS)