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飛行中の旅客機 客席から「エンジン操った」 ハッキングか FBI、コンサル男性捜査

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飛行中の旅客機 客席から「エンジン操った」 ハッキングか FBI、コンサル男性捜査

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米連邦捜査局(FBI)に拘束されたクリス・ロバーツ氏は、こうした機内の座席の下にある電子ボックスに接続してハッキングしたとされる=2015年5月7日(AP)  ツイッターで米ユナイテッド航空の旅客機の制御システムに不正アクセスすると、つぶやいたことで米連邦捜査局(FBI)に拘束された男性が、調べに対し、過去にさまざまな旅客機で実に15~20回も不正アクセスを行い、娯楽システムから飛行制御システムに侵入して旅客機のエンジンを簡単に操作できたなどと語っていたことが18日までに分かった。

 当人は「航空機のセキュリティーを向上させたかった」としているが、身勝手ともいえる主張にFBIはカンカン。さらには、この騒動に航空機メーカーも参戦。「娯楽システムから飛行制御システムに侵入することはできない」と反論するなど、全米中が大騒ぎになっている。

 「酸素マスク下ろそうか」

 5月17日付の米CBSテレビや米CNNテレビ、英紙インディペンデント(いずれも電子版)などによると、この男性は、著名なサイバーセキュリティーコンサルタントのクリス・ロバーツ氏。米コロラド州デンバーにあるセキュリティー調査会社の設立者兼最高技術責任者(CTO)でもある。

 彼は4月15日、ユナイテッド航空便でデンバーからシカゴを経てニューヨーク州シラキュースの空港に到着したところをFBIに拘束された。パソコンなど電子機器も押収され、約4時間にわたり取り調べを受けた。

 到着前、自身のツイッターのフォロワー約5000人に対して、次に搭乗予定だった便で「機内制御システムをハッキング(不正アクセス)して、酸素マスクを下ろしてやろうか?」とつぶやいたためだ。ユナイテッド側もロバーツ氏が次に乗る予定だった便の予約を取り消すなどの対応をとった。

 そして、この事件に絡み、FBIが裁判所に提出した捜査令状請求書類の内容をカナダのテレビ局APTNナショナルニュース(電子版)が15日に報じた。これを欧米主要メディアが続報し、ロバーツ氏の恐るべき供述内容が明らかになった。

 娯楽システムから侵入

 各報道によると、FBIはコンピューター犯罪の容疑でロバーツ氏に対する捜査を進めており、ロバーツ氏に対し、今年2~3月に少なくとも3回の事情聴取を実施したが、そのなかで彼は2011~14年、ボーイングの737、757とエアバスのA320の機内にラップトップパソコンを持ち込み、これを座席の下にある電子ボックスに特殊ケーブルで接続し、機内娯楽システムに15~20回、不正アクセスを行ったと説明。

 さらに、娯楽システムを介し飛行制御システムに侵入。システムのコードを書き換えて不正なコマンドを発信して、エンジンをコントロール。飛行中だった機体を水平あるいは横方向へ移動させたとの衝撃の告白も行った。

 実際、FBIがシカゴ行きの便を調べたところ、ロバーツ氏の座席(A3)とその前の座席(A2)の電子ボックスが改竄(かいざん)されていたという。

 ボーイングは主張否定

 ロバーツ氏はこうした不正アクセスについてツイッターで「過去5年間の私の唯一の関心事は航空機のセキュリティーを向上させることだった」とつぶやき、FBIを批判した。ロバート氏は過去、エアバスのA320とボーイングの737-800、737-900、757-200について、機内娯楽システムの脆弱(ぜいじゃく)性をFBIに訴えていたという。

 しかし、FBIは今回の捜査令状請求書類で「ロバーツ氏には機内娯楽システムや飛行制御システムに不正アクセスを試みる能力や意図があり、シラキュースで拘束しなければ公共の安全を危険にさらしていた」と指摘する。

 また名指しされたボーイングも機内娯楽システムは「飛行・運航系のシステムと分離させてある」と主張し、ロバーツ氏の主張を否定しており、騒ぎが収まる気配はない。(SANKEI EXPRESS

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