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科学
石垣島から 「夜遊び」のススメ
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夜空に霧が立ち上るように繊細な光を放つ伊原間(いばるま)の星雲=2012年6月2日、沖縄県石垣市(永山真治さん撮影) 「夜遊び」という言葉はあまり良い印象を与えない。都会ではよからぬ思惑を胸に抱きながら、ネオンきらめく繁華街へ繰り出す。そんな印象を受ける言葉である。でも石垣島での夜遊びとは、健全なナイトツアーのこと。
5月に入ると、天気も比較的安定してきて、気温も上昇し、日中では28~30度くらいまで上がる。Tシャツ一枚で夜中に出掛けても、肌寒く感じることはほとんどない。それでは石垣島のナイトツアーへ出掛けよう。
サンライズ、サンセットなどさまざまなシーンは見る人や、その時の心理状態によって感じ方は千差万別だ。私が好きな時間帯はサンセットの後。太陽は沈んでいるが、まだ薄明るい状態。昼の時間が止まろうとしながら、夜の時間が動き始めるときの間(はざま)が好きで、写真を撮るのがすごく面白い。
私がよく行く場所は名蔵湾。石垣島最大の干潟とマングローブの林がある。ここで見る昼と夜の間は、昼のざわめきが静まり闇が音もなく動き出すさまが感じ取れる。少し大げさかもしれないが、自分の五感で感じ取ってほしい。
辺りが薄暗くなって来ると、3月後半から5月中旬にかけてヤエヤマヒメホタルが飛び交う。約2~5ミリ程度の小さな蛍だ。日没後、午後7時半ごろから光り出し、約40分程度と時間は限定される。一斉に瞬きながら飛び交う「天然のクリスマスイルミネーション」。絶対に見ることをお薦めする。
観賞スポットはバンナ公園が最適。石垣島中央に位置する標高230メートルのバンナ岳にある。その他のスポットは自分で探してほしい。見つけたら自然の神秘を荒らすことなく静かに見守るエチケットを心がけよう。
≪森で海で空で 命かがやく≫
一方海の中では、5月の大潮にサンゴが一斉に産卵する。水温が24度以上になる満月のころで、「バンドル」と呼ばれるカプセル状の中に精子と卵子が入っている。水面に浮かびあがると壊れ、精子と卵子に分かれて受精し、「プラヌラ」と呼ばれる幼生となる。
私は石垣島最北端の平久保崎(ひらくぼざき)灯台の沖合3キロほどの地点で見た。ただ自然が相手なので、必ず見られるわけでもない。見るにはひたすら待つことを覚悟してほしい。夕方の明るいうちに船で移動して、ポイントに停泊して待つ。その日の潮止まりの時刻によるが、午後10時ごろから午前0時ごろ。観賞してホテルに帰ると午前2時、3時といったスケジュールになる。それなりの覚悟で臨んでほしい。スキューバダイビングでなくても、シュノーケリングで十分に見ることができる場所があるようだ。
そして天気の良い夜は満天の星空を仰いでほしい。石垣島北部へ行くと天の川など肉眼でも鮮明に見える。100円ショップでレジャーシートを買って(石垣島にも100円ショップはある)、砂浜に寝転び、空を見上げるとすごく気持ちが良い。空と一体になるというか、吸い込まれそうな感覚に陥る。石垣島随一のシュノーケリングスポットといわれる米原(よねはら)海岸がお勧めだ。
車で流しながら思いついた場所から見るなら、石垣島最西端の御神崎(おがんざき)灯台、北部の伊原間(いばるま)、明石(あかいし)辺りがいい。
昼間の石垣島も太陽と海がきれいだが、夜も趣があって面白いので、夕食を早目に済ませてブラっと散策するのも良い。ナイトツアーやナイトカヌーといった、一般の業者による有料サービスもあるが、自分で探しながら楽しむ方が有意義であることは確かだろう。
ちなみに石垣島に梅雨はない。7、8月の航空券が高い時期を避け、梅雨といわれる6月の安い時に遊びに来るのも賢いやり方かもしれない。(写真・文:フリーカメラマン 永山真治/SANKEI EXPRESS)