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【箱根火山活動】噴火警戒レベル2 葛藤する箱根町 火山性地震は観測史上最多

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【箱根火山活動】噴火警戒レベル2 葛藤する箱根町 火山性地震は観測史上最多

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蒸気を噴き出す大涌谷(おおわくだに)。箱根山が噴火した場合、大涌谷が火口になると想定されている=2015年5月25日、神奈川県足柄下郡箱根町(三尾郁恵撮影)  噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられた箱根山(神奈川、静岡県)で、活動が活発になった4月26日から5月25日午後4時までに気象庁が観測した火山性地震は1810回に上り、2001年6月~10月の785回を大きく上回って観測史上最多を記録した。一方、気象庁よりも多くの地震観測地点を持つ神奈川県温泉地学研究所では25日4時までに4367回を計測。01年の4230回を上回り、こちらも史上最多となっている。

 「地元には日常」

 地元の神奈川県箱根町ではレベル引き上げ時期をめぐり、素早い判断を評価する一方、その後の風評被害などから「早すぎた」との声もある。火山と共存する町の葛藤が続いている。

 気象庁が箱根山の噴火警戒レベルを2に引き上げたのは6日午前6時。それに合わせ、箱根町は噴火した場合に火口になると想定される大涌谷(おおわくだに)の半径約300メートルに避難指示を出した。

 箱根山の警戒レベルは09年3月に設定され、引き上げは今回が初めて。数年に一度のペースで群発地震や蒸気が勢いよく噴き出す「暴噴」などが起きているが、噴火には至らず、これまで立ち入りが制限されたこともない。

 箱根山の噴火は12~13世紀に起きたとみられる水蒸気噴火が最後で、火山性微動や地殻変動などを観測できるようになった近代以降は記録がない。

 そのため警戒レベル引き上げに際しては「いつ噴火が起きてもおかしくなかった01年と似た状況」であることが判断材料とされた。気象庁の西出則武長官は21日の会見で「ある意味、類推の中で基準を定めており、噴火の観測がないという間を埋めるため、専門家と議論しながら監視している」と説明した。

 それゆえに、地元ではこの判断への是非をめぐる議論が今も続く。強羅地区で旅館を経営する男性は「火山活動の活発化は、火山とともに生きている地元にとっては日常」と強調。「立ち入り制限などの措置は必要だが、『レベル2』はインパクトが大きすぎる。観光客を必要以上に怖がらせている」と話す。

 「特殊事情を考慮」

 一方、「箱根は火口となる大涌谷の中を歩くこともできる。昨年の御嶽山(おんたけさん)噴火のような被害を出すことは絶対に避けなければならない」と強調するのは箱根町総務防災課の担当者。「箱根の特殊事情を考えれば(レベル引き上げや避難指示など)早めに判断せざるを得なかった」という。

 西出長官は「これまで観測されているデータを総合すると、注意を要するのは大涌谷のごく狭い範囲」と強調した上で、「御嶽山噴火を受けて、気象庁も丁寧に情報を提供するように心がけている。正しい情報を持って、正しく恐れてほしい」と呼びかけている。(SANKEI EXPRESS

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