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外見より中身 就活スーツ、暑くても黒一色

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外見より中身 就活スーツ、暑くても黒一色

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黒いスーツを身にまとい、企業の合同説明会に臨む学生たち=2015年6月12日、東京都文京区(共同)  ネクタイや上着を身に着けない「クールビズ」を横目に、額に汗を浮かべながら街を歩く黒いスーツの学生たち-。最近の就職活動ではすっかり定番となった装いだ。自分好みの服装が当たり前だったのは今や昔。主要企業の採用面接が今年から8月解禁となる中、あえて暑さに不向きな「黒」を選ぶ若者の内面を探った。

 バブル後定着、守り重視

 東京都内にある紳士服チェーン店。東洋大4年の上岡剛さん(22)=仮名=は就活用に黒っぽいスーツを1着購入した。不動産業界を志望。これまでに数社の会社説明会に参加した。「上着なしでよいといわれることもあるが、採用担当者からどう思われるか不安」。ネクタイは持参し、周りを見て着けるかどうか決めるという。

 立教大の小泉咲さん(21)=仮名=も黒のスーツで来店した。暑さ対策はスーツの下に着るブラウスを半袖にする程度。「何を着ていくかで悩むくらいなら、面接で自分をアピールする内容に磨きをかけたい」と話した。

 バブル期の1980~90年代は女性ファッション誌が白やベージュのスーツを提案するなど選択の幅は広かった。「ビジネススーツの色は景気に左右される」とアパレル関係者。バブル崩壊後は落ち着いた濃い色が主流になる一方で、おしゃれ感覚で黒を着こなす人が増えた。就活ファッションはその流れにあり、冠婚葬祭に使える着回しの良さも支持されている。

 「『就活』の社会史」の著者で、若者文化に詳しい関西学院大の難波功士教授は「今の就活生は90年代前半までの好景気を知らずに育った世代。今年は売り手市場だが、依然として攻めより守りの意識が強く、外見ばかり目立ち、中身のない人間とみられることを恐れている」と分析する。

 黒へのこだわりに加え、そもそも軽装への抵抗感も強い。「洋服の青山」が6月、全国の約1200人に実施した調査では、夏場の就活(面接)でスーツを着るとの回答が85%に上った。クールビズは2.1%だった。

 企業は「自由に」

 一方、企業側は学生への配慮を見せる。第一生命保険はクールビズ期間中に、セミナーや面接での服装を「ネクタイ、上着不要」と案内している。「社内の空調は28度を目安に設定しており、少しでも涼しい格好で力を存分に発揮してもらいたい」(第一生命人事部)

 玩具大手バンダイでは、以前から就活時の「服装自由」を認めてきた。「服装を採用の判断基準にせず、本当の姿を見たい」と説明する。

 入社3年目の松岡愛歌さん(26)は、スーツから7分丈のスラックス、ワンピースと選考が進むごとに服装と自身の心境に変化が起きたという。「最初は自由が怖かったが、最終面接では働く自分をイメージしながら、好きな服を選ぶことができた」と振り返る。

 立教大の市川珠美就職支援課長は「学生が皆同じ服装であることに企業は違和感を持っている。就活は『右へ倣え』ではなく、主体的に物事を決めていく機会だ」と話している。(SANKEI EXPRESS

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