ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
エンタメ
ベルリン・フィル 楽員選挙に決着 変わる!世界の指揮者地図 月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」8月号
更新
ベルリン・フィルの首席指揮者に就任するキリル・ペトレンコ。(C)Wilfried_Hosl ベルリン・フィルの次期首席指揮者兼芸術監督に、バイエルン州立歌劇場音楽総監督のキリル・ペトレンコが決まった。21日に2回目の楽員選挙が行われた。ここ数年、世界のオーケストラの首席指揮者、音楽監督などが大きく変わっている。モーストリー・クラシック8月号は「変わる! 世界の指揮者地図」を特集、その動きを追った。
ペトレンコは1972年、ロシア中部のオムスク生まれのユダヤ人。父はバイオリニスト。幼少からピアノを学び、11歳で公開演奏会を開いた。90年、18歳のとき一家でオーストリアに移住。ウィーン国立音楽大学で学び、チョン・ミョンフン、エトベシュらに師事した。99~2002年、南チューリンゲン劇場音楽総監督、02~07年、ベルリン・コーミッシェ・オーパー音楽総監督を務めた。
ラトルの後任を決める第1回の楽員選挙は、5月11日に行われた。延々11時間議論が続けられたが、決まらなかった。決定に時間がかかり、結果を煙の色で知らせるコンクラーべ(ローマ教皇選出選挙)になぞらえられる。秘密保持の厳しさも一緒。議論の中身は漏れてこなかったが、ドイツの新聞は事前に有力候補としてヤンソンス、ティーレマン、ペトレンコらをあげた。
ペトレンコが最初にベルリン・フィルを指揮したのは2006年、2回目が09年、3回目が12年と共演は多くない。また、14年12月の演奏会をキャンセルしている。しかし、ベルリン・フィルは「これまでに指揮した際、相性の良さを感じた。自信を持って決めた」と説明する。
来日経験はなく、日本ではほとんど知られていない。ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールや、13年から指揮しているバイロイト音楽祭の映像や録音で知る人がいるくらい。
音楽評論家の舩木篤也氏は今月号のモーストリー・クラシックで「昨年、バイロイト音楽祭で聴いた『ニーベルングの指環』には、舌を巻いた。ベルリン・フィルとの演奏会は12年の模様がデジタル・コンサートホールにアップされているが、彼は全身全霊で指揮をする」と評価している。
ところで、ベルリンを辞めるラトルは17年、母国イギリスのロンドン響(LSO)の音楽監督に就任する。これまでLSOの最高ポストは首席指揮者。企画運営すべてに関わる音楽監督はラトルのために用意された。ラトルは「これが私の最後の仕事だ」と抱負を語っている。
またヤンソンスが今春まで務めたオランダの名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管首席指揮者の後任は、ダニエレ・ガッティが16年9月に就任。ニューヨーク・フィルの音楽監督アラン・ギルバートは17年で辞任することを発表。一方、昨年9月、運営方針などをめぐる総監督との確執から、ウィーン国立歌劇場音楽監督を突然辞任にしたウェルザー=メストの後任は決まっていない。
日本ではNHK交響楽団が9月、パーボ・ヤルビを首席指揮者に迎えて新体制がスタートする。すでに2月にN響と共演したヤルビは「N響はもともと演奏レベルが高いのですが、まだまだ高い潜在力を持っていることも分かったので、今後の共演、録音が楽しみです」と話している。(月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」編集長 江原和雄/SANKEI EXPRESS))