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懲りない路上ARTの問題児 米デトロイト市当局、フェアリー氏に逮捕状

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懲りない路上ARTの問題児 米デトロイト市当局、フェアリー氏に逮捕状

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5月21日、デトロイト市内で記者会見し、巨大な壁画の制作意図などについて語るシェパード・フェアリー氏。この時すでに「ここでの仕事は壁画だけではない」などと、挑発的発言をしていた=2015年、米ミシガン州(AP)  バラク・オバマ米大統領(53)の誕生に一役買った選挙ポスターを制作したことで知られる著名な米路上アーティストのシェパード・フェアリー氏(45)に対して、米デトロイト市の司法当局は26日、逮捕状を出した。先月、市内のビルに巨大な壁画を描いた際、許可されていないポスターを街中に貼り付け、一部の器物も損壊したというのが容疑で、警察は「こちらから逮捕に出向く前にすみやかに自ら出頭してほしい」としている。一方、類似容疑で過去20年間に17回の逮捕歴があるフェアリー氏は「警察は浮かれすぎだ。逮捕理由がない」と反省の色を見せておらず、去就が注目されている。

 「枚数貼りすぎ」

 ロサンゼルスを拠点に活動しているフェアリー氏は先月、デトロイトの実業家の求めに応じて市中心部の18階建てのビルに、布地に抽象デザイン画を描いてこれを側壁にかける形態の“壁画”を制作した。しかし、この間、路上でも自身の作品であるポスターやステッカーも精力的に貼って回った。

 デトロイト市警のレベッカ・マッケイ氏は26日、米メディアに「貼った枚数が度を超しており、看過できない。器物損壊事案も2件ある。著名なアーティストだからといって許される行為ではない」と語った。逮捕、起訴されると、最高5年の懲役と最大1万ドル(約124万円)の罰金が科される可能性があるという。

 オバマ氏圧勝に一役

 フェアリー氏を一躍有名にしたのは、2008年の米大統領選に民主党から出馬したオバマ氏の陣営が使用した選挙ポスターだった。HOPE(希望)という文字の上にオバマ氏を赤・白・青などの色彩で描いたもので、選挙期間中は公式ポスターとして3000万枚が印刷され、全米の街角で貼られまくった。

 このポスターは元々は、民主党支持者のフェアリー氏が勝手に制作したものだったが、そのデザインの良さが評判となり、オバマ陣営が公式ポスターに採択。ついにはタイム誌の表紙にもなった。オバマ氏はこのポスターで清新なイメージを有権者に植え付けることに成功し、大統領選で共和党のジョン・マケイン上院議員(78)に圧勝したのだった。

 ただ、09年にこのポスターはAP通信のカメラマンが06年に撮影した上院議員時代のオバマ氏の写真がデザイン化されたものであることが発覚。著作権をめぐってAP側と裁判沙汰になった。

 AP側は補償として金銭の支払いを求めたが、当の撮影したカメラマンが「経緯はどうあれ、私の写真が脚光を浴びることになり、誇りを感じる」として強く争う姿勢を見せなかったため、判決は公共奉仕労働300時間にとどまり、しぶといフェアリー氏は厳罰を免れた。

 「やめられない」

 今回の壁画制作に際して、フェアリー氏は先月21日、デトロイトで記者会見し、「壁画の制作だけで仕事は終わらない。他にもやることはあり、うまくやってのける」と話し、許可されていないポスターを貼ることなどを示唆していた。

 逮捕状が出たことについてフェアリー氏は英紙インディペンデントに「何で逮捕されなくてはならないのか分からない。これまでの経験から、逮捕されても、獄につながれるのはせいぜい1日か2日だろうし、罰金だって(当初予想より)ぐっと低くなるのが常だ。ポスター貼りはやめられない」などと強気に語った。

 警察を本気で怒らせない方がいいと忠告する関係者も多いが、一向に懲りないようだ。(SANKEI EXPRESS

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