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「選挙公報.com」(上) 公約常時公開で「言いっ放し」防げ

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「選挙公報.com」(上) 公約常時公開で「言いっ放し」防げ

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選挙公報をインターネットで常時閲覧できるサイト「選挙公報.com」(www.senkyok.com)の画面=2015(平成27)年(有志学生記者提供)  【Campus新聞】

 (2015(平成27)年)4月12、26日に投開票が行われた統一地方選挙は、軒並み投票率が過去最低を記録した。選挙権を18歳に引き下げる公選法改正案が国会に提出されたが、若者の政治への関心は低いままだ。そんな中、若者の政治参加意識を高め、投票率の向上につなげようと、活動している若者たちがいる。昨年夏に、有志の学生が中心となり、選挙の立候補者が掲げた公約をインターネットで常時閲覧できるサイト「選挙公報.com」を立ち上げた。メンバーの明治学院大学社会学部社会学科3年、佐々木惇さん(20)と国学院大学法学部法律学科3年、小林修平さん(21)が、その活動についてリポートする。

 □今週のリポーター:明治学院大学有志学生記者 佐々木惇さん、国学院大学有志学生記者 小林修平さん

 「選挙公報.com」(www.senkyok.com)は、選挙の立候補者の経歴や公約が掲載された全国の地方自治体の選挙管理委員会が発行する選挙公報を常時閲覧できるインターネットサイトだ。

 インターンが契機

 投票率が低い若者の選挙への関心を高めるとともに、有権者が、政治家の公約を常時チェックできるようにして政治家の「言いっ放し」を防ぐことを目的に、2014年夏に開設した。

 千葉県の市議会議員のもとでインターンを経験し、政治に興味を持った学生とその仲間たち14人(第1期)がプロジェクトを発足させ、それを引き継いだ学生7人(第2期)と、市民団体の地域政策研究所がサイトを運営している。

 活動のきっかけとなったインターンは、夏、春の長期休暇期間中に議員の一日の行動に密着し、議員の活動を知り、政治への関心を高めるためのプログラムだ。

 インターンに参加しようと思った理由は、議員の活動を知ることで、自分の選挙権を効果的に使いたいと考えたからだ。

 インターンの活動を行う中で、最も印象に残っているのが、議員が駅前で演説をしているときに、その横で市政報告のパンフレットを配布する活動だ。毎朝、配布を行うなかで、気がついたことがある。それは、若者が全く関心を示さず、パンフレットを受けとってくれる割合が少ないということだ。受けとってくれるのは、ほとんどが高齢者だった。

 インターンにともに参加した学生の多くが同じような経験をしており、話題になることが多かった。なぜ、われわれと同じ世代の若者が政治に関心を持たないのだろう。話し合いをしているなかで、皆の意見に一つの共通点があった。それは、一般の人は、議員が普段どのような活動をしているのか分からず、活動を知る機会や仕組みがないということだ。知る機会や仕組みがないから、政治への関心もわかないのではないだろうか。

 1サイトに集約

 この共通意見をもとに、一般の人、とりわけ若者が議員の活動を知ることができる機会や仕組みを作ることを決意した。現代の若者は、ネットからさまざまな情報を得ている。一方で、議員の活動を知るのに最も効果的な手段は、選挙公報だと考えた。

 そこで、全国の議員の選挙公報を、1つのインターネットサイトで閲覧できる仕組みを作れば、若者も議員の活動について情報を簡単に得ることができ、政治に関心を持つのではないかと考えた。

 選挙公報のネット公開について、2014年8月に調査したところ、全国1765自治体(都道府県含む)のうち、選挙管理委員会がホームページなどで立候補者の選挙公報を継続的に公開しているのは、わずか18自治体しかないことがわかった。

 総務省指針で削除

 なぜ、選挙が終わると選挙公報をネットから削除してしまうのか。それは、総務省のガイドラインに『(選挙公報のウェブ掲載は)投票日当日までとすることが適当である』と記載されているからだ。公職選挙法には、選挙公報の配布可能(ウェブ掲載可能)期間について明記されていない。しかし、選挙運動用ポスターについては「選挙の期日後速やかに撤去しなければならない」とされており、選挙公報についても選挙運動用ポスターに準じた取り扱いとすることが望ましいと考えられている。このため、多くの自治体の選管は、選挙後も継続的に選挙公報をネットで公開することを見合わせているのだ。

 これでは、選挙後に公約をチェックすることができない。「選挙公報.comは」選挙が終わった後も、選挙公報を閲覧できるようにすることが重要だと考え、常時公開している。(今週のリポーター:明治学院大学有志学生記者 佐々木惇、国学院大学有志学生記者 小林修平/SANKEI EXPRESS

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