ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
社会
「JIMOTO.com」始動(上) 地元情報 学生アンバサダーが発信
更新
地方が元気にならないと、日本も元気にならない。自分たちが住む“地元”を盛り上げようと、全国の学生たちが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、それぞれの地元の情報を発信するプロジェクトが指導した。その名も「JIMOTO.com(ジモト・ドット・コム)」。メンバーの学生記者、明治学院大学2年の酒井亮圭さん(21)が、その取り組みをリポートする。
□今週のリポーター 明治学院大学 有志学生記者 酒井亮圭さん
≪地元情報 学生アンバサダーが発信≫
安倍内閣が地方の活性化と人口減少対策のスローガンを掲げた。それが「地方創生」だ。年間2000億円を新交付金として地方に配布するといい、多くの自治体が、その獲得に向け動き出している。頭の固い政治家や役所には任せておけない。自分たちの地元を盛り上げたい。学生が中心となった若者の力で。そんな思いから立ち上げられたのが、「JIMOTO.com(ジモト・ドット・コム)」というプロジェクトだ。
「私の好きな街がここにある」を合言葉に、全国に点在する地域アンバサダーが写真や動画を用いて自分の地域の魅力を、SNSを通じて発信。「#JIMOTO」を全国に拡散する取り組みだ。
運営は全て学生が行い、現在、223人(2014(平成26)年11月20日現在)のアンバサダーが在籍している。
活動内容は主に3つ。1つ目は「SNSを通じた情報発信」。運営メンバーのもとに全国のアンバサダーから写真や動画が届く。それらをフェイスブックやツイッターで定期的に発信している。2つ目は、アンバサダー同士が交流するオフ会の「JIMOTO会」の開催だ。現在は東京で月に2回開催しており、全国各地の出身者が集まる。ウエブ上でしかつながっていなかった仲間がオフラインでもつながり、交流することによって、地元の魅力に触れ、それを再確認する場として活用されている。今後は地方開催も検討している。
3つ目が、「旅行ツアー」の開催だ。有志メンバーが集まって、アンバサダーがいる地元へとツアーに出掛ける。地元の学生アンバサダーが案内してくれるので、ガイドブックや旅行サイトには載っていないディープなスポットをめぐることができる。
今後の活動としては、企業とのコラボレーションを企画していく予定だ。
≪代表の遠藤翔太さん 「全都道府県でフェスタ開く」≫
「JIMOTO.com」代表の遠藤翔太さん(23)に話を聞いた。
――なぜ、こうした活動をしようと考えたのか
「海外に行くことが多く、その先々で、日本のことをとにかくたくさん聞かれた。『日本にはどんないいところがある?』『どんな食べ物がある?』といった質問から、ときには『日本の原発について教えてほしい』といったセンシティブな話題まで。その時に思った。世の中ではグローバル化と騒がれていて、もちろん世界のことを知るのは重要だが、実は僕たち日本人は日本について知らないことが多いんじゃないかと。日本のことをもっと知りたいと考えたことが、この活動につながっている」
――今後のJIMOTO.comの展開は
「主に2つに力を注いでいく。1つ目は、“地元好きの若者”の情報発信コミュニティーとして確立すること。地元情報を発信している“大人”のコミュニティーはたくさんある。しかし、学生ら“若者”が主体になっている活動は少ない。今後その位置を確立していく。そして、2つ目は、47都道府県のすべてで「フェスタ」を開催すること。国際会議のサミットのように、毎回、開催地を変えて都道府県をめぐる。そこに全国からアンバサダーらが結集し、それぞれの地元の魅力をリアルな場で発信する。そうした目標をメンバーで共有し突き進んでいきたい」(今週のリポーター:明治学院大学 有志学生記者 酒井亮圭/SANKEI EXPRESS)