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世界の家庭料理巡り イギリス&ドイツ編(上) シンプルな塩味 名物パイをおかわり

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世界の家庭料理巡り イギリス&ドイツ編(上) シンプルな塩味 名物パイをおかわり

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イギリスのパブの店内。出入口が複数あり、客は自由に出入りし、一杯から気軽に楽しめる=2014年8月13日(獨協大学_有志学生記者、斎藤悠輔撮影)  【Campus新聞】

 各国の家庭料理のレシピを収集するため、世界一周の旅を続けている獨協大学4年の学生記者、斎藤悠輔さん(23)から第3弾リポートが届いた。訪問国の大学で友達をつくり、その家庭にお邪魔して食事をごちそうになり、料理を習い、日本に帰国した後、多国籍料理の居酒屋を開業しようという斎藤さん。第1弾の「旅立ち編・メキシコ編」(2014(平成26)年6月29日掲載)、第2弾の「ブラジル編・ポルトガル編」(2014(平成26)年9月14日掲載)に続き、今回はイギリス編・ドイツ編をお届けする。

 □今週のリポーター:獨協大学 有志学生記者 斎藤悠輔さん

 最近は日本でもなじみが出てきた「パブ」。本場イギリスに渡り、その魅力を堪能した。

 イギリスのパブ巡りで気づいたのは、2階がレストラン、1階がパブになっている店がけっこう多いことだ。パブでは、日本の居酒屋のように手の込んだ料理を出す店はあまりないが、まずは2階のレストランで腹ごしらえをした後、1階のパブで飲むと、2度楽しめる。

 日曜限定の絶品

 イギリスの名物料理といえばパイ。日本でパイというとアップルパイなど甘いものをイメージするが、イギリスではしょっぱいものが多い。注文したパイには、チキンのシチューが入っていて、シンプルな塩味だった。よくイギリスは食べ物がおいしくないといわれるが、日本の料理はだしを取り、うまみを引き出すのに対し、こちらはシンプルな塩味の料理が多く、奥深い味わいが感じられないことが原因かもしれない。ただ、シンプルな味付けがピッタリな料理もある。パブやレストランで日曜限定メニューとして出される「サンデーロースト」は絶品。ローストした肉と野菜、プディングを盛り合わせた料理で、肉汁をベースにしたグレイビーソースでいただく。

 パブの魅力といえば、やはりいろいろな種類のビールが楽しめることだ。特定のメーカーのビールしか置いていないところが多い日本の居酒屋からは想像できないほど種類は豊富だ。値段は1パイント(568cc)で約500円。日本と違い、泡を入れないのが特徴的だ。

 英国パブの内装はどこも高級感があってずっしりした雰囲気を醸し出している。ソファにじゅうたん、絵、暗い照明などビクトリア朝時代の重厚なパブの面影を残している店も多い。

 また、パブはストリートの角地にある場合が多く、出入り口が複数あり、客は自由に出入りしている。お酒は代金と引き換えなので、気軽に一杯から楽しめる。店側も、出入り口がたくさんあっても、飲み逃げの心配はない。陽気なイギリス人とお酒を飲むのはとにかく最高だ。

 減った手作り

 パブに続き、イギリスの「上流階級」の家庭にお邪魔して、おふくろの味を取材することにも成功した。イギリスでも冷凍食品がかなり浸透していて、伝統的な家庭料理を手作りする家庭は少なくなっているという。

 献立は、メーンがイギリスの代表的な家庭料理である「コテージパイ」で、デザートにはこれも伝統的な「トライフル」をいただいた。コテージパイは、マッシュポテトをパイ生地にして、ひき肉を包んだ料理。あまりにおいしすぎておかわりしてしまった。トライフルはカスタード、フルーツ、スポンジケーキ、クリームを層状に重ねたスイーツだ。

 食後は、ティーを飲みながらおしゃべり。さすが上流階級だ。イギリス人の紅茶に対するこだわりは並大抵ではない。この家のお母さんに、おいしい紅茶の入れ方を教えてもらった。(1)ティーポット、ティーカップを温めておく(2)お湯を沸かす(3)スプーン1杯分の茶葉をティーポットに入れる(4)沸騰したお湯をすぐに注ぐ(5)2、3分蒸らしてティーカップに注ぐ-というのが手順だ。

 ごちそうになったお礼に、出身地の秋田の郷土料理である「納豆汁」を振る舞った。上流階級の方々は、「おいしい」と言っていたが、顔は笑っておらず、ほとんど残っていたので、結局、自分で食べるというお決まりのパターンとなった。

 「イギリスは食べ物がおいしくない」というのは、完全なデマである。(獨協大学 有志学生記者 斎藤悠輔/SANKEI EXPRESS

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