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半世紀の反目 「雪解け」なお課題 米キューバ、国交回復へ 大使館再開で合意

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半世紀の反目 「雪解け」なお課題 米キューバ、国交回復へ 大使館再開で合意

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キューバの首都ハバナのホテルのバルコニーに翻るキューバと米国の国旗。半世紀ぶりに両国の国交が回復する=2015年1月19日(AP)  米国とキューバは国交回復を意味する大使館の相互再開で合意した。米メディアが一斉に報じた。バラク・オバマ米大統領(53)が1日(日本時間2日)、合意を発表。大使館再開により、1961年の断交から54年ぶりに国交が回復する。62年のキューバ危機で激しく対立した両国の関係は歴史的な転換点を迎えた。ただ、キューバに対する米国の経済制裁は続き、人権をめぐる認識の隔たりも大きいままだ。半世紀以上にわたって積み重ねられた反目を解きほぐす作業は、これから正念場を迎える。

 オバマ氏「変革」アピール

 米政府が今年5月29日、キューバのテロ支援国家指定を解除したことで大使館再開による国交回復への道が開かれていた。両政府は互いの首都に置いている利益代表部を大使館に格上げする。ロイター通信は、ケリー米国務長官が7月下旬にハバナで米大使館の開館式に臨む見通しだと報じた。

 ただ、米上下両院で多数を占める共和党には対キューバ強硬派が多く、反体制派弾圧などキューバの人権問題を棚上げした決着に反発している。上院による大使人事の承認や、米議会の協力が不可欠な制裁解除は難航が予想される。

 オバマ氏と、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長(84)は昨年12月、国交正常化交渉に乗り出す方針を電撃発表し、世界を驚かせた。

 長年の宿敵だったキューバとの和解はオバマ氏にとって「変革」をアピールする格好の材料。ヒスパニック(中南米系)が存在感を増す国内事情をにらみ、キューバ系移民を意識して来年の大統領選に向け民主党への追い風とする狙いもあった。

 キューバは制裁の即時解除は望めないものの、国交回復によって米国を含む海外の投資を呼び込みやすくなる。

 今年1月の交渉開始後、米側は首都に限定されている外交官の移動範囲拡大や本国から取り寄せる物品の制限緩和を要求。キューバ側は米利益代表部が反体制派のジャーナリストを養成していることに反発し、大使館再開後に同様の活動が拡大しかねないと懸念を示していた。

 両政府は計4回の高官協議を経た。間合いを探るのは「複雑な歴史を前に容易な作業ではなかった」(ジェーコブソン米国務次官補)という。

 めどたたぬ制裁解除

 ただ、今後の焦点となる制裁解除は実現のめどがたっていない。オバマ氏が議会対策で指導力を発揮できなければ、キューバ政府の失望を招き、国交回復という「快挙」が急速に色あせるリスクをはらむ。

 米政府による反体制派への支援が政権転覆につながりかねないとキューバ側が判断すれば、関係改善の動きが停滞する可能性も否めない。

 キューバ側が全面返還を求める東部グアンタナモにある米海軍基地についても、米側は「大統領が話し合いを望んでいない」(米政府高官)として、交渉の議題ではないとの立場だ。(共同/SANKEI EXPRESS

 ■米キューバ関係 1959年のキューバ革命を経て成立したフィデル・カストロ政権が社会主義化を進め、米系資産を接収したことを受け、米国は61年1月に断交を通告。62年2月、米国は対キューバ全面禁輸を発動した。62年10月、米国はソ連がキューバに中距離ミサイル基地を建設中と発表、ミサイル撤去を求め海上封鎖するキューバ危機が起き、核戦争の緊張が高まった。その後も対立が続いたが、両国は約1年半の秘密接触の末、2014年12月に国交正常化交渉開始で合意した。(共同)

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