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キューバのジャズシーン支える実力派 ダイメ・アロセナ、プレイング・レクオーナ

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キューバのジャズシーン支える実力派 ダイメ・アロセナ、プレイング・レクオーナ

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キューバ出身のシンガー・ソングライター、ダイメ・アロセナ=2014年11月3日(提供写真)  先日、とある仕事でキューバに行ってきた。わずかな滞在時間で改めて感じたのは、この国の音楽は生活と密着しているということ。子供からお年寄りまで自然に同じ音楽を聴いているし、石を投げればミュージシャンに当たるというくらい、街中に音楽があふれている。だからこそ、これほどまで世界水準の音楽家が続々と生まれるんだなぁ、と納得した。

 新人からベテランまでさまざまなシンガーやミュージシャンが存在するが、今回はそんなキューバのジャズにスポットを当ててみよう。

 弱冠22歳の才媛

 まずは、期待のニューカマー、ダイメ・アロセナ。彼女は、弱冠22歳のジャズシンガーだ。10代からプロとして活動し、歌うだけでなくソングライティングやコーラスアレンジも手がける才媛。英国のDJであるジャイルス・ピーターソンに見初められ、彼のハバナ・カルチュラというプロジェクトに参加。一躍、ヨーロッパのクラブシーンでもその名を知られるようになった。デビュー作「ヌエバ・エラ」も期待を全く裏切らない出来栄え。神秘的なハーモニーで構築されたオープニングから、クールでジャジーなテイストや、躍動感に満ちたラテンナンバーまで、七変化の歌声を聞かせる。

 また、高度なテクニックのスキャットを駆使して、まるで熟練の名歌手のようなたたずまいを見せるのもユニーク。このまま成長すればどんな大物になってしまうのか、末恐ろしくなるほどの実力派である。

 熱意伝わる演奏

 もう1枚紹介したいディスクは、「プレイング・レクオーナ」。これは、3人のピアニストが、キューバの名作曲家、エルネスト・レクオーナの楽曲を演奏するというドキュメンタリー映画のサントラだ。3人のうち、チューチョ・バルデスとゴンサロ・ルバルカバはキューバというよりも、現代のジャズシーンを代表するといってもいい世界的なピアニスト(もう一人はドミニカ共和国出身のミシェル・カミロ)。

 ソロやトリオ編成、または名歌手、オマーラ・ポルトゥオンドを招くなど、さまざまなスタイルでレクオーナの名曲を披露する。自国の音楽に敬意を表してルーツを忘れない姿勢は、キューバのミュージシャンの基本といってもいいだろう。

 時代を超えた名曲を、次世代に届けようとする熱意が伝わる見事な演奏ばかりが集められている。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS

 ■Dayme Arocena キューバ出身のシンガー・ソングライター。幼少時から音楽教育を受け、10代ですでにビッグバンドのボーカルに抜擢されて海外でも活躍。ジャイルス・ピーターソンのサポートを受けて、ハバナ・カルチュラに参加の後、ソロデビューを果たした。

 ■Playing Lecuona キューバの名作曲家、エルネスト・レクオーナの楽曲を、チューチョ・バルデス、ゴンサロ・ルバルカバ、ミシェル・カミロという3人のジャズピアニストが演奏するという映画のサントラ。ラテンジャズピアノの最前線ともいえる作品集。

 ■くりもと・ひとし 音楽&旅ライター、選曲家、ビルボードライブ企画プランナー。2年間の中南米放浪の経験を生かし、多彩なジャンルで活動中。情報サイト、All Aboutでアルゼンチンのガイドを担当。最新著書は「アルゼンチン音楽手帖」。

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