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タイ観光業界、政局に戦々恐々 デモ長期化なら外国人客2桁減予想

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

タイ観光業界、政局に戦々恐々 デモ長期化なら外国人客2桁減予想

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 タイの観光業界が国内の政治情勢に神経をとがらせている。今年1~9月に同国を訪れた外国人観光客数は1950万人と前年同期の1597万人を大きく上回ったものの、今月に入って下院を通過した恩赦法に反対する抗議デモ発生などで情勢が緊迫。観光客減少の懸念が広がっている。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

 恩赦法案は政治関連の違法行為で受けた有罪判決を無効とする内容を含み、インラック首相の実兄で有罪判決を受けたタクシン元首相も対象に含めていた。これに反発した反タクシン派が抗議活動を展開し、法案は廃案となる見通しだ。

 しかし、反タクシン派が恩赦法の廃案を求めるだけでなく政権打倒へ向けて抗議活動を継続する方針を固め、タクシン派がこれに対抗する動きを見せはじめるなど、事態が拡大。今月25日には反政府デモが激化し、財務省の建物などが占拠された。

 こうした動きに対し、タイ観光協議会は、大衆運動の激化は観光業の打撃になるとして事態の沈静化を訴えた。今年の外国人観光客数は目標の2620万人を突破する可能性が高いが、政治情勢が観光客の足を遠ざける恐れがあるとの見解だ。

 同協会のピヤマン会長は、抗議活動が来年1~3月期まで長期化する事態となれば、同期の外国人観光客数は今年の1~3月期に比べて10%以上減少すると予想。「国内旅行が経済失速で勢いを失いつつあるなか、外国人観光客が減少すれば大きな打撃となる」と述べ、政府に対して事態の早期収拾を訴えた。

 タイでは08年から09年にかけてタクシン派と反タクシン派の対立が激化し、スワンナプーム国際空港占拠事件などが発生。これが影響して観光客数が伸び悩んだ。今回の事態を沈静化して国内に安定を取り戻せるかどうか、インラック首相の政治手腕が問われている。(シンガポール支局)

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