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シンガポール航空、LCCの急追懸念 利益率低迷で新戦略に着手
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シンガポール航空が、東南アジア航空市場で急拡大を続ける格安航空会社(LCC)や中東を拠点とする航空会社の追い上げにさらされている。シンガポール航空はグループ全体で、今年度第2四半期(7~9月期)の最終利益が前年同期比78%増の1億6000万シンガポールドル(約130億6200万円)に達したが、航空会社本体の利益率は低迷を続けている。現地チャンネル・ニュース・アジア電子版などが伝えた。
最終利益の大半を占めるのは、機材の売却益や系列会社の利益など。豪シンクタンクCAPA(アジア太平洋航空センター)によると、シンガポール航空本体の旅客1人に対する飛行距離1キロメートル当たりの売り上げは、7四半期連続で前年同期と比べて減少した。
マレーシアを本拠とするアジア最大のLCCエアアジアや、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空など中東を本拠地とする航空会社などにシェアを奪われているためだ。
シンガポール航空のゴー・チュン・フォン最高経営責任者(CEO)は「自国通貨高や燃料価格の高騰、アジア近隣国の成長減速に加え、LCCなどの台頭で引き続き厳しい業績が続くだろう」との見解を示す。
一方、現状を打破するためにさまざまな戦略も打ち出している。
昨年、LCC子会社スクートを立ち上げ、10月には印複合企業タタ・グループの持ち株会社タタ・サンズと共同で、機内食の無料提供などの付帯サービスを完備する航空会社をインドに設立することで合意。同国国内線市場を手がかりに、国際線への進出も視野に入れ、アジアに進出する中東の航空会社に対抗したい意向だ。
シンガポール航空と同社傘下のシルクエアは先月15日から、全クラスで無料で預かる手荷物の重量を10キロ引き上げるなど顧客サービスも強化。さらに多くの航空会社と提携し乗り継ぎの利便性を図るなど、利用者の獲得に向けてあらゆる手立てを講じ、熾烈(しれつ)な争いに挑んでいく姿勢だ。(シンガポール支局)