NTT東西の光回線契約数と純増数【拡大】
光回線サービスで圧倒的なシェアを持つNTTの契約純増数の伸びに急ブレーキがかかってきた。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の急速な普及に伴い、固定回線を持たないユーザーが増えているためだ。さらに、KDDIが固定と携帯を連携させた割引サービスで攻勢をかける。NTTが優位に進めてきた、各家庭への光回線敷設(FTTH)をめぐる「ラストワンマイル競争」は、“最終章”を迎えた。
市場全体が失速
「光回線の普及率は約40%まで上昇した。純増ペースは緩やかになっており、販売面は正念場を迎えている」。NTT東日本の山村雅之社長は、今年6月に開いた社長就任の記者会見で、光回線サービス事業の先行きに危機感を示した。
NTT東日本とNTT西日本を合わせた光回線契約数の純増数(四半期ベース)の推移を見ると、全盛期と比べた伸びの勢いは明らかに減速している。調査会社のMM総研(東京)によると、2012年3月末のNTT東西合計の光回線契約数のシェアは74.4%と他社を圧倒しており、「NTTの契約増が鈍化し始めたことは、市場全体が失速していることを示す」(業界関係者)。