原発停止の長期化を受け、関西電力が26日に電気料金の値上げを申請するなど各電力会社の値上げの動きに対し、コスト上昇につながるとして企業の間で悲鳴が上がった。
「経営上もはや許容できない範囲だ」(パナソニック)との声も上がり、コスト増分を価格転嫁できないことから、生産の海外移転が加速しかねない。産業の空洞化が進めば雇用の悪化を通じ、日本経済に大きなダメージを与える。
「もうやっていけない」。日本鉄鋼連盟の友野宏会長(新日鉄住金社長)は、各電力会社の値上げの動きに憤る。産業向け料金が1キロワット時当たり3円程度の値上げが実施されると仮定すれば、「日本の鉄鋼産業全体では年間900億~1000億円のコスト増になる」(友野会長)という。
自動車業界にとっても事情は同じ。関電管内に主力生産拠点を置くダイハツ工業の関係者は「経営にとって非常に厳しい」と頭を抱える。