熱中症や脱水症状の対策に効果のあるスポーツドリンクは、その機能を果たすためがゆえ、各メーカーの商品は似通ったものになりがちだった。この流れに風穴を開けたのが、キリンビバレッジが平成23年に発売した「ソルティライチ」。家族が健康でいてほしい。母親たちの願いがこもった家庭料理のエッセンスを取り入れ、幅広い世代に受け入れられるヒット商品へとつながった。
ソルティライチは、収穫したライチに「沖縄海塩」を加え、グレープフルーツ果汁などを含んだ純水で割った。厚生労働省が熱中症予防で推奨する100ミリリットルあたり40~80ミリグラムのナトリウム摂取量を満たす、数少ない清涼飲料で、塩分と水分を無理なく体に取り入れられる。
開発のきっかけは、意外なところから生まれた。
「こんなに、おいしかったなんて…」
同社で同商品の開発を担当した鈴木栄富主任は22年7月、家族旅行先の台湾で、ホテルの朝食で出たライチのみずみずしさに心を奪われた。