LTE対応のスマートフォンの普及予測【拡大】
急速な普及が予想されるスマートフォン(高機能携帯電話)の高速通信規格「LTE」をめぐり、総務省が通信速度やカバーエリアの統一的な算定・表示基準の策定に乗り出した。
現状では算出方法が異なる独自の基準で各社がアピール合戦を繰り広げており、消費者の混乱を招いているとの批判は強い。同省は早ければ2014年度にも統一基準を導入して各社に対応を促したい考えだが、業界側には実効性に疑問を投げかける声もあり、官民の足並みがそろうかどうか不透明さも残る。
ルールなき広告合戦
「広告表示の社内承認プロセスを厳格化し、より一層分かりやすい表示に努めたい」。KDDI(au)が東京都内で19日開いた株主総会で、両角寛文副社長は株主に陳謝した。LTEのカバーエリアを過大表示したとして、5月21日に消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を受けたからだ。
同社は昨秋以降、「LTEの人口カバー率は2013年3月時点で96%に達する」と宣伝。米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)5」も対象に含んでいるとしたが、実際にはアイフォーン5を除いた機種のカバー率が96%で、アイフォーン5は3月末時点でわずか14%にすぎなかった。