富士フイルムがベトナムの主要病院から内視鏡を大量受注する見込みとなったことが4日、分かった。政府が成長戦略の柱に据える医療輸出の一環。政府の支援を受け、名古屋大が現地に内視鏡の指導医を派遣するなどオールジャパンの取り組みが受注に結びついた形で、ベトナムへの医療輸出の初の成功事例となる。
関係者によると、富士フイルムは首都ハノイのバクマイ病院や、中部の医療拠点であるフエ大病院など主要約10病院への内視鏡納入がほぼ確実になった。受注規模は2億円台に上る。機器納入により、内視鏡診断に使う記録用フィルムなど消耗品でも年2千万円以上の売り上げが見込まれる。
経済産業省は昨年8月、医療機器事業を手掛ける富士フイルムや日立メディコ、名大などで構成する官民合同チームをベトナムに派遣。保健省幹部らに面会したほか、経産省が医療輸出の窓口として設立した官民連携組織「メディカルエクセレンスジャパン(MEJ)」が現地の医療関係者約150人を集めたセミナーを開き、日本製の医療機器を売り込んでいた。