NTTが5月に発表した光サービスの卸売り開始に対して、通信業界内の温度差が鮮明になってきた。
ソフトバンクの孫正義社長が卸売りを歓迎する意向を示す一方、KDDIの小野寺正会長は「設備競争があったから光サービスが普及した」と述べ、議論が尽くされていないと指摘する。
電力系やCATVなど加入者回線設備を保有する200強の通信事業者は「卸売りは値段や事業者選定理由が公表されないため、不透明な行為につながる。NTTに対し公平と透明を担保すべきだ」(ケイ・オプティコムの藤野隆雄社長)と反発。連名の要望書を5日、総務相に提出した。
孫社長はフジサンケイビジネスアイとのインタビューで、NTTが光サービス「フレッツ光」を卸売りした場合、「(仕入れて光サービス事業を)やりたい」と明言。現在はフレッツ光の販売元であるNTT東西地域会社と代理店契約を結んでいるが、自社ブランドでの光サービス事業に意欲をみせる。