リノベーションで新築同様の住戸になった、コスモスイニシアの「リノマークス目黒本町」【拡大】
中古マンションを大規模改修し、新しい機能を追加して価値を高めるリノベーション事業が広がっている。東日本大震災の復興需要や2020年開催の東京五輪に向けた施設・インフラ整備、再開発ラッシュで首都圏では資材費や人件費が急激に上昇。新築マンションの建設費が膨らんで収益力の低下につながりかねず、リフォームなどを手掛ける専門業者だけでなく、新築を中心に物件を供給してきた不動産大手もリノベーション事業に力を入れだしている。
中古の流通数安定
「適した物件が売り出されても、2年前は数社の業者が関心を寄せる程度だったが、今は違う。1つの情報に二十数社が群がるほどだ」。中堅マンション分譲会社、コスモスイニシアの辻川悟・マンション事業部販売一部部長はリノベーション事業の過熱ぶりを打ち明ける。
新築マンションの供給件数は景気動向に左右されやすい一方、中古物件の流通数は安定している。東日本不動産流通機構によると、2005年度から12年度まで首都圏の中古マンション成約戸数は2万8000~3万2000戸台で推移。13年度は消費税増税前の駆け込み需要もあり、一気に3万6000戸台に拡大した。