販売の低迷が続いている日本マクドナルドは11日、一般の主婦らを店舗の調理場や工場に招き、食の安心・安全を確認してもらう「ママズ・アイ・プロジェクト」を始めると発表した。食の安全に厳しい母親の視点でチェックした衛生管理状態などをリポートしてもらい、品質に対する消費者の不安払拭につなげたい考え。ただ、商品への異物混入などで傷ついた信頼の回復は容易でなく、離れていった顧客を取り戻す効果を生むかどうかは不透明だ。
同社はサラ・カサノバ社長を含めた社員と、母親ら5、6人が参加する意見交換会を5月から月1回実施する。11日には食の安全をめぐる同社への質問の募集を、インターネットの特設ウェブサイトなどで始めた。消費者の不安や疑問を踏まえて母親らのメンバーが調理場や、新しく鶏肉の仕入れ先となったタイの加工工場などを視察。内容をまとめたリポートを特設サイトや店頭で配るパンフレットなどで公開する仕組みだ。
東京都内で会見したカサノバ社長は、新たな取り組みの狙いについて「食の安全に家庭内で最も厳しい目を持つ母親の意見をよく聞き、より良い会社にするためだ」と説明。その上で「あらゆる顧客に食の安全に関する情報を提供できれば、信頼は回復できると思っている」と自信をみせた。