取材に応じるNTTの篠原弘道副社長=8日、東京都千代田区【拡大】
情報通信、金融、電力など重要インフラを担う15業種の大手企業約30社が9日、サイバー攻撃対策や人材育成で協力する「産業横断サイバーセキュリティー人材育成検討会」を発足させる。NTTが各企業に呼びかけていたもので、業種横断的な民間企業の集まりは初めて。日本年金機構の125万件の個人情報が流出するなどサイバー攻撃が社会問題となっており、企業間で情報を共有して産業界全体でサイバー攻撃に備える。旗振り役の篠原弘道・NTT副社長に狙いを聞いた。
--「産業横断サイバーセキュリティー人材育成検討会」発足の目的は
「経団連でもサイバーセキュリティー対策で大学に協力する方針が示されたが、もともとは大学教育支援を目的に仲間作りをしようと考えた。早稲田大学とNTTの『サイバー攻撃対策講座』はその一環だ。しかし、全ての業界がネットワークでつながる現在、学生だけでなく社内の人材教育も重要な問題として浮上してきた」
--産業界と具体的な協議を始めたのはいつからか
「4月に入ってから重要インフラ業界の幹部や経営陣と会って、経営問題として取り組んでいただけるか確認し、約30社に賛同いただいた。関連企業を全てカバーすると100~200社になるが、とてもまとめきれない。15業種のうち最低1業種が参加して水平展開してもらう形で、産業界の民民連携を広げたい」