【ベルリン=宮下日出男、アトランタ=小雲規生】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)による不正な排ガス規制逃れ問題で、欧州連合(EU)が2013年時点で、ディーゼルエンジン車に搭載された違法ソフトウエアの存在を把握していた可能性が浮上した。英紙フィナンシャル・タイムズが27日までに報じた。規制管理に対するEUの責任が問われる可能性もある。
同紙によると、EU欧州委員会の研究機関は13年にまとめた報告書で、一部ディーゼル車について調査の結果、路上走行時の窒素酸化物(NOx)の排出量がEUの基準値を大きく上回ったことを指摘していた。
報告書はその上で、車両に搭載された装置には試験を感知して排ガス量を減らす機能があると指摘。調査結果は「現行の試験手続きの弱点を示した」とし、ディーゼル車については屋内試験だけでなく、路上走行による試験も導入すべきだとの見解を示していた。