バイオベンチャー企業のユーグレナは1日、藻類の一種ミドリムシが体内で作る油分を利用し、ジェット・ディーゼル燃料を製造する実証プラントを横浜市鶴見区に建設すると発表した。全日本空輸といすゞ自動車が協力し、5年以内に旅客機やバスの燃料として実用化する計画。その後は大量生産に乗り出し、価格変動や環境負荷が小さい国産バイオ燃料として普及させるのが目標だ。
プラントはユーグレナが約30億円を投じ、千代田化工建設が建設。平成30年に稼働させ、生産技術の検証を始める。沖縄・石垣島で培養しているミドリムシを運び年間125キロリットルの燃料を精製する計画だ。
一方、全日空は利用客が多くPR効果も高い羽田-伊丹線などから導入する方針。当初はジェット燃料にバイオ燃料を1割程度混ぜ、週1往復させることを想定している。
バイオ燃料の航空機への導入は、温室効果ガス削減の観点から世界的に広がり始めており、国土交通省と経済産業省が推進に向けてルール作りを進めている。
ユーグレナの出雲充社長は記者会見で「オールジャパンで取り組み、将来的には海外への技術輸出にもつなげたい」と述べた。