投資ファンドのインテグラル(東京)は10日、アパレル大手のイトキン(大阪市)を買収すると発表した。競争激化で業績が悪化していたためで、アパレルなどの再建で実績があるインテグラルの下で経営再建を図る。
インテグラルは、イトキンが実施する総額45億円の第三者割当増資を引き受ける。さらに既存株主からイトキン株の買い取りを進め、議決権ベースで98%以上を掌握する見込み。
イトキンの一部不採算ブランドや店舗の撤退などの事業構造改革を資金面で支援する。会長を含む取締役3人を派遣し「超長期的視野に立って、最適なサポートを実施する」としている。
イトキンは「エル」や「ヒロコ・コシノ」「クレージュ」など28のブランドがあり、国内約1400店舗を展開。台湾にも進出している。
アパレル業界は近年、比較的安価な国内外のブランドの台頭や、インターネット通販の普及を背景に競争が激化。円安による仕入れ価格の上昇も経営を圧迫しており、大手も戦略の見直しを迫られている。
インテグラルは、経営再建中のスカイマークやアパレルのヨウジヤマモトの支援などで知られる。
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