日銀が16日に導入したマイナス金利政策をめぐり、地方銀行に激震が走っている。
「最大の懸案はシステムの改修だ」。地銀の雄とされるある金融機関が、先月29日のマイナス金利導入の決定直後に開いた会議で、担当者はこう頭を抱えた。
金融商品の金利の目安となる「基準金利」は市場金利が反映される。長期金利がマイナスになれば、基準金利もマイナスになる可能性があり、システムにマイナスを入力する必要が出てくる。だが、現在のシステムでは対応できず、多額のシステム投資を迫られかねない。
みずほフィナンシャルグループは今月12日、関東財務局に提出した四半期報告書で「財務面のリスク」としてマイナス金利政策を追加した。
投資家の資産運用も難しくなりそうだ。国債などで運用する投資信託のMMF(マネー・マネジメント・ファンド)は利益が見込めず、すべての運用会社が販売を停止。生命保険会社も貯蓄性の高い一時払い保険商品の値上げや売り止めの検討に入った。