今回の検証プラントでは、分離機、乾留炉、水素発生装置をつなぎ、連続稼働している。検証プラントの原料となるアルミ系複合材は、プラント建設地提供で協力した朝日印刷富山工場(富山市)が製造するアルミ系複合材の端材を用いる。乾留炉では1時間当たり90キロのプラ・アルミ材を処理、水素発生装置ではアルミの連続投入で同じく2キロの水素を生成している。
アルミ系複合材が普及したのは、紙やプラスチックの間に挟み込んだアルミ箔(はく)が光や空気、水分を遮断、食品や薬、化粧品などの品質が安定保持できるためだ。「アルミがない場合で数日~数カ月程度だった保存期間が、アルミ系複合材では数カ月~数年に延びる」とアルハイテックの水木伸明常務は話す。
こうした包装材は一般家庭から排出されるが、可燃物として焼却処理した場合、焼却灰のアルミ成分が冷却用水と反応し水素を発生させて爆発を起こすことが知られている。また、紙成分が多い飲料用紙パックでは再生パルプ原料として回収される場合もあるが、プラ・アルミ材は産業廃棄物として埋設処理されるのが一般的という。
前身は運送会社
2013年10月設立の同社の前身は運送会社、トナミ運輸の環境部門。07年に大手製紙会社から、アルミ付き飲料パックの残渣(プラ・アルミ材)の埋設処理場を探してほしいとの要望が寄せられたことが、アルミ系複合材と関わるきっかけとなった。