損害保険大手3グループは20日、2016年3月期連結決算を一斉に発表した。売上高に相当する正味収入保険料は3グループとも増収、最終利益は過去最高を更新した。昨年10月の火災保険の料率改定を前に駆け込み契約が大量に発生したほか、主力の自動車保険も好調に推移し、収益を押し上げた。
損保ジャパン日本興亜ホールディングスの最終利益は前期比2.9倍の1595億円だった。辻伸治副社長は「損保子会社の合併関連費用が抜けたことと、自動車保険の収支改善が進んだことが主な理由」と説明した。
17年3月期は、東京海上ホールディングスは米HCCインシュアランス・ホールディングス買収が寄与し4.1%増の2650億円、英アムリンを買収したMS&ADインシュアランスグループホールディングスは0.8%増の1830億円の最終増益を想定。システム開発投資を行う損保ジャパン日本興亜は減益を見込む。
一方、3社がこの日発表した熊本地震関連の企業向け地震保険金支払い見込み額は計190億円。このうち120億円の支払いを見込むMS&ADの柳川南平専務は「再保険により業績への影響は回避できる」と話した。