
内外装を4年ぶりに部分改良して発売されたザ・ビートル=21日、東京都千代田区【拡大】
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の日本での販売が振るわない。排ガス規制逃れ問題の発覚から丸1年が経過したものの、ブランドに対する不信感がなお根強いためだ。てこ入れに向け、21日には主力車「ザ・ビートル」を一部改良して投入。年末に向けては全国20カ所で全車種の試乗会を開くなど巻き返しを急ぐが、施策の効果は未知数で、販売回復に向けた道筋は見通しにくい。
「日本で重要なのは信頼回復だ」。VW日本法人のティル・シェア社長は同日、東京都内で開いた改良版ビートルの発表会後の会見でこう繰り返した。
背景にあるのが、昨年9月の不正問題発覚後、先進国の中でずば抜けている日本での新車販売の低迷がある。VWの今年1~8月の主要市場での新車販売台数を見ると、欧州は前年同期比3.1%増、北米が1.3%減だった。これに対し日本は17%もの落ち込みとなった。この間の日本の外車市場全体が2.9%増えていたにもかかわらずだ。