日本製紙子会社の日本製紙クレシア(東京都千代田区)は6日、家庭紙の合弁生産に乗り出すと発表した。中堅製紙会社の春日製紙工業(静岡県富士市)と共同出資会社を設立、トイレットペーパーなどを生産する。インバウンド(訪日外国人)需要や、高齢化の進展に伴う使用頻度の増加で、今後も堅調な需要が続くと判断した。
新会社は、静岡県富士市の日本製紙富士工場で2017年4月に設立する。資本金は4億5000万円で、日本製紙クレシアが8割、春日製紙が2割を出資する。社名は未定。
新会社は、日本製紙富士工場内に約60億円かけて生産設備を導入し、18年5月からトイレットペーパーなどを年間約3万6000トン生産する。このうち約2万9000トンは、日本製紙クレシアが「クリネックス」「スコッティ」ブランドの製品として販売する。
トイレットペーパーを含む家庭紙は比較的堅調な需要が続いているが、製紙各社はデジタル化や人口減による紙需要の減少に直面し、厳しい経営を強いられている。
日本製紙グループの家庭紙生産はフル稼働状態にあるが、投資リスクを分散するため合弁にした面もあるという。
家庭紙では、大王製紙も約240億円をかけて、休止中の川之江工場(愛媛県四国中央市)を18年に再稼働させる計画。