電通は28日、新入社員高橋まつりさん=当時(24)=の過労自殺問題に伴う労務改革の一環で、前福岡高検検事長の松井巌弁護士ら外部有識者による独立監督委員会を発足させ、初会合を開いた。監督委は、経営陣が4月にもつくる改革案が有効かどうかなどをチェックする役割を担う。
電通は、社員の健康を犠牲にしてでも顧客の評価や業績の向上を目指す企業体質が浮き彫りになった。意識改革にとどまらず、業務の全体量の削減など構造的な対策が必要になっている。
監督委には松井氏のほか、厚生労働省出身で21世紀職業財団会長の岩田喜美枝氏や日本労働法学会理事の木下潮音弁護士が名を連ねた。不祥事を受けてトップに就いた山本敏博社長は改革を2年で成し遂げる方針を示しており、監督委は会合を月1回開き、半年に1度は取締役会に報告する予定だ。