森永製菓と森永乳業は30日、選択肢の一つと説明してきた経営統合を見送る方針を発表した。統合に関し「現時点での検討を終了し、それぞれの事業戦略への注力で経営基盤の強化を図る」とコメントした。経営の独立性を保った上での協業については、引き続き検討するという。
2社は同じ会社から分離した兄弟会社に当たり、森永製菓は現在、森永乳業株の10%超を保有する筆頭株主。ただ乳業側には、幅広い菓子メーカーと原料供給などの取引があることを背景に「今統合しても大きな相乗効果は得られない」(幹部)との意見が出ていた。
両社は2月、2018年4月をめどに経営統合するとの一部報道を受け「統合に限らず、さまざまな可能性について検討していることは事実」としていた。
同業の明治製菓と明治乳業が09年に経営統合し、業績が上向いたことから、市場関係者には森永2社の統合に期待する声もあったという。