■システム刷新、ネットバンキング開始
Jトラスト銀行インドネシア(BJI)が目指すのは、リテールバンキングでナンバーワンの称号を得ることだ。そのための新たな武器、ネットバンキングが今夏にも加わる。
「顧客を取り込むにはネット・モバイルバンキングの充実が必要。『スマートフォンからアクセスしたい』という声に『夏から大丈夫』といえる。個人預金を増やせる」
◆スマホで可能、武器に
ジャカルタから飛行機で1時間20分、伝統的なジャワ美術の中心地でインドネシアの古都ジョグジャカルタ。唯一の営業拠点、ジョグジャカルタ支店のフェビラ・アジア・リニ支店長はサービス開始に胸を躍らせる。
他行より提供が遅れていた個人向けネットバンキングを実現できるのは、基幹システム(コアバンキング)を8月にも入れ替えるためだ。
BJIの田中庸介取締役IT担当は「『われわれもできる』といえるので個人預金の獲得ツールになる。早くていいものを提供すれば顧客は集まる」と強調。その上で「時代や顧客のニーズに合わせて機能を追加しやすくなる基盤を整えた。システム刷新で飛躍の時期を迎える」と話した。
新たなコアバンキングが稼働すると、ネットバンキングのほか利用代金を預金口座から即時に引き落とせるデビットカードの発行、ATM(現金自動預払機)の機能追加と他行とのネットワーク化なども可能となる。
「他行より使いやすい」ネットバンキングとの評価が高まれば、個人に口座開設を働きかけやすくなる。財務と資金調達の責任者、リオ・ラナシア取締役は「われわれの目的は調達コスト(平均預金金利)の引き下げ。そのために普通預金口座を増やす」と明快だ。