「ハード(ゲーム機)の性能が上がると、不可能だったことが可能になる。新しい要素を入れて、今までにない面白さをつくることを大切にしてきました。信長の野望の第1作は中部地域などの17カ国を統一するゲームでしたが、その後は全国を舞台にできた。3D表現が標準的になると、ボードゲームのような感じだったのが、リアルな戦場を再現できるようになった。開発中の第15作『大志』では人工知能(AI)を使って、『織田信長だったら、信玄だったらこんなとき、こうしただろう』というように、(ゲームに登場する)武将が画一的ではなく、行動にそれぞれの個性、人間性が出てくるようにします」
〈これまでの経験から、技術の進化と市場拡大に、明るい展望を感じている〉
「私がこの業界に入ってから、ゲームセンター向けゲームが少し下がったり、スマートフォン向けが伸びるなど、ジャンルごとの浮き沈みはあっても、ゲーム業界全体でみると一本調子で成長してきました。VR(仮想現実)などの革新的な技術も、ゲームとの相性が良く、新しい面白さを提供できる可能性が高い。エレクトロニクスの進歩は果てしなく、今後もゲームのビジネス、市場は世界でどんどん伸びていくと思います」(この企画は高橋寛次が担当しました)