
心の問題について革新的なアプローチで取り組む清水あやこ氏【拡大】
【日本発!起業家の挑戦】
□ヒカリラボ創業者・清水あやこ氏に聞く
心の問題について専門的な助けを求めることに対し、日本ではまだ否定的なイメージがつきまとう。これは憂うべき状況だと思う。鬱症状やその他の心の病を抱える成人が相当数いると報告されている現状ではなおさらだ。
心理ケアのヒカリラボを2015年に創業した清水あやこ氏は、この問題に革新的なアプローチで取り組む。
--ヒカリラボの事業内容は
「ココロワークスという、臨床心理士によるオンライン・カウンセリングサービスを提供するほか、認知行動療法の考えに基づく有料の3DRPGゲームアプリ『SPARX』を配信しています。このゲームはもともとニュージーランドのオークランド大学で開発されたものですが、ライセンスを受けて日本語版を提供しています」
治療をゲームで提供
--認知行動療法とは一体なんですか
「不安や憂鬱な気分に対して効果の認められた治療法の一つです。思考、感情、そして行動はすべて相互につながっているというのが基本的な考え方です。ですから、思考を変え、行動を変えることによって、憂鬱な気分を変えられます。たとえば、『今日は悪いことがあったから悪い日だった』と考えて落ち込む人は、『確かに悪いことがいくつかあったけれど、だからといって丸1日が悪かったわけではない』と考えを変えることで、自らの悪い気分に挑み、変化させることができます。最終的には、思考方法をより現実的な見方に導いていきます」