経営再建中の東芝は20日、半導体子会社「東芝メモリ」について、米投資ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」と売却契約を結ぶと発表した。21日に正式契約する。日米韓連合は総額2兆4千億円で買収し、東芝も3505億円を再出資する。約7カ月にわたる売却交渉にめどが付き、東芝の経営再建は前進する。
同日の取締役会で決定した。10月下旬に開催予定の臨時株主総会で報告する。売却による財務改善効果は7400億円あり、売却が完了すれば、東芝は債務超過を解消できる見通しだ。
日米韓連合に対する東芝メモリ株の譲渡価格は2兆円で、このほか研究開発費用として4千億円を投じる。ベインのほか、韓国半導体大手SKハイニックス▽アップルなど米IT企業4社▽光学機器メーカーのHOYA-などが参画する。各社は株式や議決権のない優先株を受け取る。
議決権比率は東芝とHOYAで計50・1%と、日本勢で過半を握り、東芝メモリの独立経営を確保する。ベインや海外企業も議決権を持つ。一方、SKは買収時に議決権を持たず、将来、取得可能な議決権比率も15%程度に抑え、買収に伴う独占禁止法の審査の長期化を回避する。