【講師のホンネ】グレープフルーツジュースと薬の「飲み合わせ」、実際の影響は? 吉田聡 (1/2ページ)


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 薬剤師は、薬と食物の飲み合わせについて相談を受ける。実は、その中で一番多く相談される食物がグレープフルーツジュースだ。薬局からもらう情報提供書で見たことがある人もいるかもしれない。今回は、そんなグレープフルーツジュースについて書きたいと思う。

 グレープフルーツジュースは、一部の薬の作用を強くしてしまう。一緒に飲むと薬が強く効きすぎてしまう恐れがある。飲み合わせが悪い代表的な薬をあげると、血圧降下剤、免疫抑制剤、脂質異常症治療薬などの一部で、全ての薬の飲み合わせが悪いわけではない。

 次に、グレープフルーツジュースはダメでも、グレープフルーツを食べるのはどうだろう? 実は、グレープフルーツの果肉に薬と飲み合わせが悪い成分「フラノクマリン」が含まれている。影響が強い薬の場合はグレープフルーツを食べるのも避けてほしい。ちなみに、飲み合わせが悪い薬の中でも、影響には違いがある。影響が強い薬の場合は、薬の効き目が4倍以上になる薬もある。影響が少ない薬の場合は食べても良い。ただし、食べる場合は4日に1回・半玉で、ルビーグレープフルーツを選ぼう。これは飲み合わせが悪い成分は4日程度効果が持続するからだ。ルビーグレープフルーツは、フラノクマリンがホワイトグレープフルーツの半分程度しか含まれていない。飲んでいる薬が、影響が強い薬か弱い薬かは、薬剤師に聞いてみてほしい。どうしてもグレープフルーツが食べたい、グレープフルーツジュースを飲みたいという人は、影響がない薬に変えてもらうのも一つの手だ。

他のかんきつ系フルーツはどうか?