尾鷲火力、平成30年度にも停止 中部電、販売低迷で効率化

 中部電力が尾鷲三田火力発電所(三重県尾鷲市、出力87万5千キロワット)の運転を平成30年度にも停止する方向で調整に入ることが19日、分かった。人口減少や省エネ浸透、新電力参入で電力販売量は低迷しており、経営を効率化する狙い。

 中部電が建て替えをせず火力発電所を閉じるのは、16年の新清水火力発電所(静岡市)以来となる。50万キロワットを超える火力発電所では初めて。3月にも公表する30年度の電力供給計画に盛り込む可能性がある。

 尾鷲三田火力は石油を燃料にし、石炭や液化天然ガス(LNG)に比べ発電コストが高く、近年は夏場などに電力需給が逼迫(ひっぱく)した際のみ稼働している。運転開始は昭和39年で現在は1、3号機が稼働。

 中部電は火力発電事業を、東京電力ホールディングスとの共同運営会社「JERA(ジェラ)」に移管するが、尾鷲三田火力は除外されることになりそうだ。