トラブルによる火力発電所の停止が相次いでいる。6月に入っても、九州電力、関西電力などの火力が蒸気漏れや設備の破損などで止まった。電力各社の火力には老朽化したものも多く、今後も不測の事態で止まるリスクは小さくない。原発再稼働が見通せず火力への依存が高まる中、需要が膨らむ夏場の電力需給は「綱渡り」を強いられることになる。
九電は26日、新たに石炭火力の苅田新1号機(36万キロワット)が自動停止したと発表した。弁がどれくらい開くか検出するスイッチの不良が原因で、数日中に復旧させるという。同機の営業運転開始は2001年7月だ。
九電では今月18日にも、石炭火力の苓北(れいほく)1号機(70万キロワット)が停止。ボイラーから蒸気が漏れている疑いがあり、7月上旬の復旧を目指している。
九電以外では北陸電力が今月3日、富山4号機(25万キロワット)のボイラーの水位計近くに蒸気漏れを確認し、運転を停止した。蒸気の漏洩(ろうえい)部分の補修を済ませ、すでに再開。同機は運転開始が1971年と、古い部類に入る。