■家庭=動画で予習/学校=応用・定着に注力
学校現場にデジタル機器の配置が進む中、授業での活用法の一つとして「反転授業」の導入が進み始めた。授業で知識を教えるのではなく、家庭学習で知識を事前に学んでから授業に臨む形式だ。子供の学力の底上げや協働的な問題解決能力の育成につながる可能性もあるとして注目が集まっている。(日野稚子)
勉強したふりは…
「この問題に出てくる動詞も予習でやりましたよ。過去形は何だった? 誰に答えてもらおうかな」
東京立正高校(東京都杉並区)アドバンストコースの1年生の英語の授業。教室内の29人の生徒たちに次々と英語構文の問題を当てていく。反転授業を導入したため、教科書の解説ページはさらりと終わり、ほとんどを演習問題を解く時間に振り分けられた。
英語が得意科目という吉冨時乃さんは「予習した分、内容が分かっているから授業が分かりやすかった」と笑顔を見せ、英語が苦手な木村凪(なぎ)さんは「自分で新しい内容を事前にやるのはできるけど、大変だった。授業は分かりやすかったが、僕は今まで通りの方がいい」と話す。