便秘予防に食物繊維の効率的摂取　キウイ、ブラン…食事を工夫 (1/3ページ)

　日本人の普段の食生活で不足しがちな食物繊維。不足すると、排便の量や回数が減って便秘になりやすくなるため、便秘に悩む人は食物繊維を積極的に取る必要がある。今年４月に改定された厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では１日当たりの摂取量が引き上げられ、専門家は食事の工夫による効率的な摂取を勧める。（兼松康）

　基準引き上げ

　「肉食など食の欧米化で、食物繊維を多く含む穀類消費が顕著に減少し、食物繊維の１日当たりの摂取量も自然と減ってきた。１回当たりの便の量は、かつては３００グラム程度あったのに、現在では２００グラム以下になっている」

　こう話すのは、順天堂大医学部の小林弘幸教授（外科免疫学）だ。便秘の原因の一つは、食物繊維の不足とされる。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、昭和２５年には１日２１グラムあった摂取量が平成２２～２４年は１４グラム前後に減り、昨年度までの女性の摂取基準１日当たり１７グラムに届いていない状況が続いている。

　今春の摂取基準引き上げでさらにハードルが高くなり、１８～６９歳の場合、従来の「男性１９グラム以上、女性１７グラム以上」から「男性２０グラム以上、女性１８グラム以上」に改定。従来は基準がなかった６～１７歳についても新たに基準が設けられた。

「食物繊維は、意識的に取るかどうかでガラッと摂取量が変わる」