紫や赤に色付くスイレンをぬってニシキゴイが泳ぐ。池の底に堆積した白砂の濃淡は淡いタッチの絵画のよう。通称“モネの池”。岐阜県関市の根道(ねみち)神社にある名もない池が、フランスの印象派画家、クロード・モネ(1840~1926年)の連作「睡蓮(すいれん)」に似ていると、人気を集めている。
連日、観光客が訪れる名所の誕生は数カ月前のこと。昨年6月頃、インターネット上で「モネにそっくり」と話題になり、情報が一気に拡散。秋にテレビで取り上げられると、観光客が激増した。
根道神社は無人で小規模の氏神様。境内の全長40メートルほどの名もない池は、地域でもあまり知られていなかった。「こんなに話題になるとは…」。神社の隣で花卉(かき)生産直売店を営む小林佐富朗さん(44)は驚きを隠せない。