世界遺産・高野山(和歌山県高野町)の宿坊が外国人観光客に人気だ。僧侶や寺院参拝者の宿泊施設である宿坊は異文化体験の貴重な場となっており、海外からの宿泊者は平成25年からの3年で約3倍増。宿坊側も英語での接客や体験プログラムなどに力を入れ「おもてなし」を充実させている。
「弘法大師が瞑想を続けていると信じられている御廟に向かいます」。恵光院による高野山奥の院を巡るナイトツアー。僧侶が英語で説明をしながら、外国人観光客を引率して片道約2キロの道を歩く。日本語で行うツアーと同様、英語でもほぼ毎晩実施しており、多い日には数十人が参加する。「説明が分かりやすい」と好評だ。
恵光院は宿泊者の6割以上が外国人。宿泊料は1泊2食付きで1万~2万円程度で、数カ月先まで予約が埋まっている。英国への留学経験がある僧侶の田村暢啓さん(33)ら3人は英語に堪能。外国人宿泊者には英語で接し、瞑想などの体験プログラムも行う。