
高収入の金融ディーラーは残業代の支払い対象から外れる=東京都内【拡大】
政府は、金融ディーラーなど高収入の専門職を労働時間規制や残業代の支払い対象から外す「高度プロフェッショナル制度」の創設を盛り込んだ労働基準法改正案を修正する方針を固めた。政府関係者が11日、明らかにした。年間104日以上の休日確保を企業に義務付ける内容とする。安倍晋三首相は週内にも連合の神津里季生会長と会談。改正案の見直し要請を受け、修正に踏み切る見通し。
労基法改正案は既に国会に提出済み。野党は「残業代ゼロ法案」と批判を強めており、先月の通常国会閉幕に伴い、4度目の審議先送りとなっていた。政府は、連合の懸念に配慮する姿勢を示し、世論の批判をかわす狙いがあるとみられる。
安倍政権は、働き方改革を加速させるため、残業の上限規制や非正規労働者の処遇改善のための同一労働同一賃金導入などを含め、秋の臨時国会での成立を目指す考えだ。
塩崎恭久厚生労働相は11日の記者会見で、高度プロフェッショナル制度について「働き方改革の実行計画の中で『早期成立を図る』と明記されている。連合の意見をしっかり聞きながら前に進めていきたい」と述べた。
民進党など野党は、東京都議選で自民党が惨敗したことを受け攻勢を強めている。修正に伴って改正案に賛成するかは見通せない。