内定辞退で中小企業、見通し立たず 「ぎりぎりまで採用活動」

合同企業説明会で、採用担当者(壁側の3人)の説明を受ける学生=10月、東京都新宿区
合同企業説明会で、採用担当者(壁側の3人)の説明を受ける学生=10月、東京都新宿区【拡大】

 学生に有利な売り手市場の影響を受け、新卒採用で人手確保に苦慮する企業は多い。中小企業は、学生に根強い大手志向のあおりを受け、辞退を見越して多めに内定を出しても採用の見通しが立たない。採用活動は厳しさを増している。

 製造業ではベテランの退職が続き、若手の技術職は引っ張りだこだ。この会社は中途採用で人材確保を目指したが苦戦が続き、狙いを新卒に切り替えた。内定辞退は約30人。人事担当者は「辞退の数は予想の範囲内だが、そもそも関心を持って話を聞きに来る学生が少ない。学生と会えなければ内定を出すこともできない」とぼやいた。

 50人の採用を目指す埼玉県のアミューズメント会社は、130人ほどに内定を出したが、7割以上が辞退。ほかの業種と並行して受ける学生が多く「他社の内定を得たら、うちの優先順位が下がるのは織り込み済みだ」(人事担当者)。

 「年明け以降も採用活動は続ける」とする企業は多い。関東地方の運送会社は約100人に内定を出したが40人近くに断られ、残ったうち40人ほどが返事を保留中だ。