【本の話をしよう】
同性愛者、障害者、バーチャル依存…。さまざまな愛の形を切り取ったノンフィクション『究極の愛について語るときに僕たちの語ること』が刊行された。著者は、新宿・ゴールデン街で“プチ文壇バー”を経営するジャーナリスト、コエヌマカズユキさん(34)。「愛って何?」。一見いびつに見える6つの愛から、普遍的な答えを導き出した。
表面だけを見ない
すべては、ゴールデン街から始まった。客として来ていた編集者と、「変わった形の愛はたくさんあるけれど、そこにも普遍的なものがあるんじゃないか」と仮説を立てたのが、企画のきっかけ。そこから常連や顔見知りの店などのつてをたどって、取材協力者を見つけ出していった。
登場するのは6組。脳性まひの男性とソープ嬢、レズビアン、お見合いで結ばれた老夫婦、ネット上の恋愛に依存する女性、植物状態の妻を介護しつづける男性、ラブドール(ダッチワイフの一種)を恋人にする男性-。